出エジプト記14章で、神の奇跡によって
海が2つに割れ、イスラエル民はエジプトの追手から逃れました。
ところで、俺が個人的に気になったのは
エジプト人たちは神の御使いたちに足止めを食らっていたのですが、
一体どれだけ彼らが根気強く
イスラエル人の直前で立ち止まっていたんだろう、ということです。
19節 このとき、イスラエルの部隊の前に行く神の使は
移って彼らのうしろに行った。雲の柱も
彼らの前から移って彼らのうしろに立ち、
20節 エジプトびとの部隊とイスラエルびとの部隊との
間にきたので、そこに雲とやみがあり夜もすがら、
かれとこれと近づくことなく、夜がすぎた。で、イスラエル人が海のどこらへんを渡ったか調べたところ
http://www.moonover.jp/bekkan/mania/seisyo.htmのサイトより
こんな地図がありました。

なるほど、そもそも想定ルートが2つあるんですね。
このどっちかをイスラエルの人たちは通ったと。
この後山に行くの?なんで?カナン人の土地は?そしてこの2か所の海をグーグルマップで拡大したのがこちら。

渡った場所が具体的にどことどこの間かはわかりませんが、
まず間違いなく5km以上ありますね。
ここではオマケして、5kmということにしておきましょう。
で、ここを渡った人数は
徒歩の成人男子が60万人。さらに、女性が同数、子どもを考えると150万人にはなるでしょう。
さらに、家畜・食糧なども一緒です。
さて、では海が割れた部分はどれくらいの幅があったのか。
宗教画などをいろいろ見比べてみると、多めに見積もって50人くらいです。

で、一列50人の幅が1km続くと何人になるのか。
歩くのに必要な人と人との間隔を考えると、1mの空間に2人いたとして、
2人 × 50列 × 1000m = 10万人
さらに、ここから家畜・食糧があることを考えると多く見積もっても
海が割れてできた道で1kmの空間に8万人が限界でしょう。さらに、歩く速さを考えます。
一般的な歩行速度は時速4~5キロ。
ただし、子どもや老人、家畜連れであることを考えると
どんなに彼らが健康体でも時速4キロを上回っていたとは思えません。
時速4キロで、5キロの道のりを歩くのにかかる時間は1時間15分。
最初の人が紅海を渡りきったころ、
ようやく紅海を渡り始めるのは40万人めです。
150万人が無事紅海を渡るのに必要な時間は・・・3時間半ほど。
これだけの時間、イスラエル人の直前に迫ったエジプト軍は
御使いに邪魔をされて

「ぐぬぬ」状態だったわけですね。
そんなに長時間足止めできるなら、わざわざ殺さないで
ずっと足止めしたままイスラエル人を逃がしてあげればよかったじゃん。
しかも、この「3時間半」というのは
海を渡る距離、紅海が割れた幅。人数。歩行速度。
全てを一番少なく見積もって計算した時間です。
もっと現実的に考えるなら、人数はおよそ200万人。
この当時のイスラエルの人口の増え方を考えると、
子だくさんなので確実にそれくらいの人数にはなっているはずです。
で、宗教画などで見る限り紅海を渡っている様子は
1列20人がいいところです。
海を渡った場所を平均的に見積もって、10km程度とします。
また、歩く速度は家畜・子ども老人連れであることを考えて
時速3kmとして再計算してみましょう。
1kmの行列の中に、家畜・食糧などを考えて
1万人程度の人間が歩いているとします。このように現実的な数字で考えた場合、
最初の1人が海を渡りきった時(3時間20分後)、
10km先のスタート地点を出発しているのは10万人めです。
200万人が無事渡りきるのにかかる時間は、「70時間」。ははははは。
ほとんど丸3日かかっているじゃないですか。
途中に休憩・睡眠が必要なことを考えると4日は必要ですね。
4日の間、パロとエジプト軍は
イスラエルに追いつけそうな距離
(少なくとも、お互いを視認できる距離)から
ただ手をこまねいていただけですか。迂回もせず、神様が邪魔していることに気づいて
引き返したりもせず。
神様の奇跡みたいなファンタジーな話を作るのは結構。
ですが、聖書の作者はもう少し数学的なことを
考えて数字を記載したほうがよかったのでは。
どう考えても、数字がおかしいのです。